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中道 勝; 金 宰煥
Fusion Engineering and Design, 98-99, p.1838 - 1842, 2015/10
被引用回数:15 パーセンタイル:77.56(Nuclear Science & Technology)原型炉ブランケットにおいては、高温下でより安定な先進中性子増倍材が必要である。ベリリウム金属間化合物(ベリライド)は、その候補の一つである。原料電極棒の製造のためのプラズマ焼結法と、造粒法として回転電極法を組み合わせることによって、ベリライド微小球製造に成功した。本研究では、Ti系ベリライド微小球のみならず、V系ベリライド微小球の製造技術開発の現状について報告するとともに、これらベリライド微小球の水素生成反応について報告する。
河村 弘; 高橋 平七郎*; 吉田 直亮*; 三島 良直*; 石田 清仁*; 岩立 孝治*; Cardella, A.*; Van der Laan, J. G.*; 内田 宗範*; 宗像 健三*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.112 - 118, 2004/08
被引用回数:33 パーセンタイル:87.58(Materials Science, Multidisciplinary)ベリウム金属間化合物研究の現状と今後の研究計画について紹介する。ベリリウム金属間化合物が、微小球形状の中性子増倍材料として利用できるか否かを明らかにするため、低放射化性等の利点を有するBeTiを用いた研究が1997年から日本で開始された。まず、回転電極法による微小球製造性に関しては、BeとTiの状態図研究から開始し、組成と組織の相関を明らかにした。それらの結果から、回転電極法で製造するために必要な電極棒の製造方法として、(1)BeとBeTiの固溶体を用いる方法と(2)BeTiとBeTiの固溶体を用いる方法を選定し、(1)の方法により試作試験を行った。その結果、微小球が得られることが明らかになった。さらに、BeTiの核的特性や各種特性評価を行った。それらの結果から、Be金属に比べて、トリチウムのインベントリーが小さく、構造材料やトリチウム増殖材料との両立性も優れており、水蒸気や空気中における化学反応性も小さいことが明らかになった。また、加速器を用いた照射損傷試験の結果、Be金属よりも照射損傷を受けにくいことが明らかになった。今後は、IEA国際協力の元、ヘリウムがベリリウム金属間化合物中に6000appm生成するまで中性子照射を行い、スエリング特性等を明らかにする予定である。
三島 良直*; 山本 啓介*; 木村 好里*; 内田 宗範*; 河村 弘
JAERI-Conf 2004-006, p.184 - 189, 2004/03
脆性を有するBeXからなる結晶構造を有するベリリウム金属間化合物の室温延性を発現することを目的として、Be固溶体(相)を有するBe-Ti及びBe-V系におけるミクロ組織と機械的特性の関係について研究した。アーク溶製された試料について高温圧縮試験を実施した結果、3at%及び5at%TiあるいはVを添加した合金は室温で延性を示したものの、1000Cでの機械的強度は100MPa以下と小さくなったが改善の方向性を示した。
大沼 郁雄*; 貝沼 亮介*; 宇田 実*; 岩立 孝治*; 内田 宗範*; 河村 弘; 石田 清仁*
JAERI-Conf 2004-006, p.172 - 183, 2004/03
先進中性子増倍材料として期待されているベリリウム金属間化合物について、特にBe-Ti, Be-Vの2元系状態図について研究した。中性子増倍材料として実用可能な高Be側(Be-523at%Ti,Be-525at%V)の試料をアーク溶解法で作成し、12001450Cにて熱処理したものについて、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いて生成する相を詳細に固定した。その結果、今まで不明であった特にBe-rich側での同系の状態図を明らかにした。
宇田 実*; 岩立 孝治*; 内田 宗範*; 中道 勝*; 河村 弘
JAERI-Conf 2004-006, p.190 - 195, 2004/03
BeTiを活用した中性子増倍材料の実用化として、その延性を改善する手段としてBe相とBeTiの混合相を利用することは有効である。本法を用いて回転電極法に供する電極棒を真空誘導溶解と真空鋳造により試作試験を実施した。炉材の評価結果よりBeOが反応,損耗少なく良好であることを明らかにした。また、鋳型底部強度に冷却による鋳造欠陥改善効果も得られた。
岩立 孝治*; 内田 宗範*; 三島 良直*; 藤田 明次*; 河村 弘; Shestakov, V.*; 宮川 勝*
JAERI-Conf 2004-006, p.196 - 202, 2004/03
ベリライドは比重が約3であり、融点は1500C以上と軽量耐熱材料として優れた特徴を有する。これを発電用ガスタービンに適用できれば運転温度上昇によるCO削減などの効果が期待できる。BeTiをベースにした新材料の開発を日本ガイシ(株)が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受けて国際プロジェクトとして実施した。製造技術開発として真空溶解による80mm80mmのインゴットを試作評価した。また、特性評価として、機械的特性,両立性,耐酸化性を評価し、従来材料であるインコネル738よりも優れることを明らかにした。
内田 宗範*; 宇田 実*; 岩立 孝治*; 中道 勝; 河村 弘
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part2), p.1342 - 1346, 2004/00
被引用回数:5 パーセンタイル:35.25(Materials Science, Multidisciplinary)原型炉用中性子増倍材料として期待されているベリリウム金属間化合物(BeTi)製回転電極棒を真空鋳造法で製造するために必要な要素技術として、BeTiとの反応の少ない溶解炉材料技術及び健全な鋳塊を鋳造するための鋳造技術の二つの要素技術について行った研究成果を報告する。溶解炉材については、誘導溶解炉と候補耐火物製坩堝を用いた溶解実験により、溶湯との反応や不純物の汚染の少ない材質として、BeOの使用が有効であることを明らかにした。鋳造方法については、BeTiの鋳造実験より、鋳型形状が引け巣や鋳造割れに与える影響を明確にするとともに、これらを防止する手段として、水冷銅鋳型を鋳型底部の替わりに使用し、底部から強制冷却する方法が有効であることを明らかにした。
岩切 宏友*; 安永 和史*; 吉田 直亮*; 内田 宗範*; 河村 弘
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part A), p.880 - 884, 2004/00
被引用回数:8 パーセンタイル:48.81(Materials Science, Multidisciplinary)核融合ブランケット用中性子増倍材として検討されているBeTiについて、安全性に影響を与えるトリチウム保持特性について、重水素イオン打込みと昇温脱離実験により明らかにした。5mm10mm1mmのBeTi試料に8keVで210ions/mの重水素を打込んだ後、1K/secの昇温速度で1700Kまで加熱した。室温打込の場合、10%の重水素が保持され400Kで全て放出した。Beの場合は、室温照射では83%の重水素が保持し、全て放出するのは960Kであった。これらの結果から、BeTiはBeに比べて良好なトリチウム保持特性を有することが明らかになった。
山田 弘一*; 長尾 美春; 河村 弘; 中尾 誠*; 内田 宗範*; 伊藤 治彦
Fusion Engineering and Design, 69(1-4), p.269 - 273, 2003/09
被引用回数:14 パーセンタイル:66.94(Nuclear Science & Technology)核融合炉ブランケットの中性子増倍材として、ベリリウム金属(Be)を用いた場合と高温特性に優れたベリリウム金属間化合物(BeTi, BeWまたはBeV)を用いた場合とで、中性子1あたりのトリチウム生成量で定義されるトリチウム増殖比(TBR)にどのような違いがあるかを、2次元輸送コードDOT3.5により計算したTBR値の比較により検討した。その結果、BeTiではTBR目標値である1.3に近いTBR(1.26)が得られ、またそれはBeを用いた場合のTBR(1.29)相当であることから、中性子増倍材として使用できることを明らかにした。併せて、充填方法について、トリチウム増殖材と中性子増倍材を混合充填した場合の方が両者を分離充填した場合よりTBRが大きくなることを明らかにした。
中道 勝; 河村 弘; 内田 宗範*
Fusion Engineering and Design, 69(1-4), p.257 - 261, 2003/09
被引用回数:9 パーセンタイル:49.89(Nuclear Science & Technology)ベリリウム金属間化合物は、高温下における機械的特性,高温水との両立性等の観点から、核融合原型炉での中性子増倍材料として有望視されている。原型炉ブランケットの設計では、トリチウム増殖比向上の観点から、中性子増倍材料とトリチウム増殖材料の微小球を混合充填することが考えられているが、この場合、中性子増倍材料とトリチウム増殖材が互いに接触するため、これらの両立性を評価することが必要不可欠である。そこでベリリウム金属間化合物(BeTi)とトリチウム増殖材料(LiTiO)との両立性試験とあわせて、比較のため金属ベリリウム(Be)とLiTiOとの両立性試験を実施した。その結果、Beの場合にはLiTiOからBe中へのLiの拡散が認められたが、BeTiではLiの拡散が認められなかった。本結果から、BeTiはBeよりもLiTiOとの両立性に優れていることを明らかにした。
河村 弘; 石塚 悦男; 土谷 邦彦; 中道 勝; 内田 宗範*; 山田 弘一*; 中村 和幸; 伊藤 治彦; 中沢 哲也; 高橋 平七郎*; et al.
Nuclear Fusion, 43(8), p.675 - 680, 2003/08
被引用回数:28 パーセンタイル:64.08(Physics, Fluids & Plasmas)核融合原型炉を実現するために、先進ブランケットの設計研究が行われている。これらの設計では、より高い発電効率を目指して冷却材温度を500以上としており、高温に耐え、また高中性子照射量まで使用できるブランケット材料(トリチウム増殖材料及び中性子増倍材料)の開発が求められている。本論文では、原研及び国内の大学、産業界が共同で実施してきたこれら先進ブランケット材料の開発の現状について報告する。トリチウム増殖材料に関しては、トリチウム放出特性に悪影響を及す高温での結晶粒径成長を抑制できる材料の開発として、TiOを添加したLiTiOに注目し、湿式造粒法による微小球の製造技術開発を実施した。この結果、固体ブランケットに用いる微小球製造に見通しが得られた。中性子増倍材料に関しては、融点が高く化学的に安定な材料としてベリリウム金属間化合物であるBeTi等に注目し、回転電極法による微小球の製造技術開発及び特性評価を実施した。この結果、ベリリウムの含有量を化学量論値より多くすることにより、延性を増すことによって、微小球の製造に見通しが得られた。また、BeTiはベリリウムより中性子照射によるスエリングが小さいことなど、優れた特性を有していることが明らかとなった。
河村 弘; 内田 宗範*; Shestakov, V.*
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part1), p.638 - 642, 2002/12
被引用回数:19 パーセンタイル:74.77(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉中性子材料に関して、ベリリウム(Be)は優れた特性を有しているが、高温でのスエリング,構造材や水との反応性等から、発電用ブランケットの想定温度(400800)では使用できない可能性がある。そこで、Beより融点が高く、化学的に安定なBe金属間化合物が注目されている。今回は、Be金属間化合物として最も有望な材料の1つであるBeTiとステンレス鋼(SUS316LN)との両立性を調べた。その結果、BeTiはBeと比較してSUS316LN内に生成する反応層が約1/10になり、両立性が大きく改善されることを明らかにした。反応層のX線回折及び反応層内生成物のBe濃度測定の結果、Beの場合は生成物はBeFeであるに対して、BeTiの場合の生成物はBeFeであった。このことは、BeT1の方がSUS316LN側へのBe原子の移動を生じにくいことを示し、反応層厚さも小さくなったと考えられる。
河村 弘; 高橋 平七郎*; 吉田 直亮*; Shestakov, V.*; 伊藤 義夫*; 内田 宗範*; 山田 弘一*; 中道 勝; 石塚 悦男
Fusion Engineering and Design, 61-62, p.391 - 397, 2002/11
被引用回数:38 パーセンタイル:89.18(Nuclear Science & Technology)高温ブランケット用の中性子増倍材として期待されているベリリウム金属間化合物に関し、日本国内での開発現状について報告する。ベリリウム金属間化合物の開発は、原研,大学,企業が協力して実施している。ベリリウム金属間化合物の一つであるBeTiに関し、従来のベリリウム金属より、構造材との両立性が良いこと,スエリングが小さいこと,機械強度が高いこと,トリチウムインベントリが小さいことなどの優れた特性を有することが明らかとなった。また、ベリリウム金属間化合物は機械的に脆く、熱応力が生じる回転電極法で微小球を製造することができなかったが、組織制御によって延性を持たせることによって、微小球を製造できる見通しが得られた。
河村 弘
JAERI-Review 2002-011, 165 Pages, 2002/06
本報告書は、IEA主催の「第5回核融合炉用ベリリウム技術に関する国際会議」において、核融合炉用ベリリウム技術に関する日本の研究開発現状についてレビューしたものである。本国際会議は、モスクワのファイナンシャルアカデミー会議場において、ドイツ,ロシア,カザフスタン,米国,日本等10カ国から約60名(発表件数:39件)の出席のもとに2001年10月10日から12日まで3日間開催された。日本からの発表件数は13件であった。本国際会議で発表された日本におけるベリリウム技術開発の最近の傾向としては、中性子増倍材料技術に関しては、BeTi等のベリリウム金属間化合物の研究開発に特化されつつあることと、第一壁材料技術に関しては、高温等方加圧法(HIP法)を用いたベリリウムと銅合金の接合技術について明るい見通しが得られつつあることが明らかになった。
中道 勝; 金 宰煥
no journal, ,
高温での安定性に優れた先進中性子増倍材としてのベリリウム金属間化合物(ベリライド)の製造技術の開発研究及びその特性評価を進めている。本研究では、Be-Ti系を含む2元系ベリライドの造粒技術開発の現状を報告するとともに、水蒸気との水素生成反応について報告する。
中道 勝; 金 宰煥; 中野 優; 若井 大介
no journal, ,
日本の原型炉(DEMO)開発に向けた先進中性子増倍材料として、高温での安定性に優れたベリライドの製造技術の開発研究及びその特性評価をITER-BA活動を中心に進めている。今回は、Be-V系等の2元系ベリライドの造粒技術開発及びその微小球特性評価の現状について報告する。